ネタバレ全開なので、未視聴の方はご遠慮ください。
さらば、全てのエヴァンゲリオン。
「思ってたよりちゃんと終わったな」
「2001年宇宙の旅」を観てなんじゃこりゃーってなった後に「2010」を観たときのあの感覚。
特に破の後半〜Qのなんじゃこりゃー感を丁寧に解説している感もありました。
(そりゃあ、結局よくわからんなってとこもあるけど、それ無いとエヴァじゃないんで)
三部作かなと思って観たQのラストで「つづく」って出たときの脱力感をまた味わう覚悟もありました。
何と戦ってるのか全然わかんないけどひたすらエヴァンゲリオンが暴れまわる映画とか、Qまでの世界線とは別のエヴァンゲリオン世界という映画とかを観せられてもかまわんという心構えで、劇場に足を運びました。
思ったよりちゃんと、序〜Qのつづきで、ちゃんと終わってました。
成長というテーマと主役の交代劇
1995年にテレビ版エヴァを始めた時は庵野監督も35歳。
アニメーター年齢としてはシンジ君みたいなもので、当時のエヴァには「わけのわからん理不尽なことをいうオヤジへの憤り」(例えば宮崎駿とか)がシンジ君目線で描かれていました。
2021年、還暦を迎えた庵野監督の本作『シン・エヴァンゲリオン劇場版』は、完全にオヤジ目線、碇ゲンドウのストーリーとなっていました。
小さい頃から他人と関わるのがちょう苦手で、本から得た知識と童貞を捧げた彼女だけを愛し、彼女を失ってからは知識を利用してすごい時間と労力かけて「どいつもこいつも消えちまえ」的などくさいスイッチを開発して今まさにそれ押すとこなんだよ、息子くん邪魔しないでくれる?な話です。
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』では永久に成長しないと思われていたシンジ君がついに成長する過程も描かれるのですが、成長したのは庵野監督と、リアルタイムでエヴァを見続けていた視聴者も含まれるのです。
ラストシーンの考察
ラストの出社シーンは相変わらず、急に学園ものからの拍手しながらおめでとうを連呼したあの終わり方とか、首絞められて「キモチワルイ」とつぶやいたあの終わり方と同様、要するに「なんじゃこりゃー」なんですが、
今回のはその前に特撮セットや獺祭の瓶が並んだ家屋のセットで戦うエヴァンゲリオンが描かれていたので、これも同様の心象風景のセットなのだなと思わせる伏線がありました。
あのラストシーンにせず、仕上げられないゲンサツ(原画撮影)世界になりかけていた心象風景…から突如現実に戻って、助けに来たマリさんがエヴァでシンジ君を安全圏まで運んで村に戻って同級生たちと平和に暮らしましためでたしめでたし…みたいなのでも良いけど、ここまでエヴァンゲリオン観てきた人たちの望むラストシーンはそういうんじゃないでしょっていうところを突いてきてました。
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』では、序・破・Qで散りばめられていた謎や伏線の回収が散りばめられていたので、Amazonプライムでもう一度通して最初から観直して、反芻したいです。
コミックス版の最終回「永遠の夏が終わり、冬が来た」というたたみ方も好きでした。

- 作者:貞本 義行
- 発売日: 2014/11/20
- メディア: Kindle版
これはこれで30分くらいの特別編としてアニメ化して欲しいです。
自分の娘が14歳になった年に「14歳の基本だから読んどけ」とKindle版一式を渡した記憶。
心のツッコミ
- USB-Aかよ!上下間違えるかよ!
- 「働く…とは?」って、泣くな!はらちゃんかよ!働くとは生きることだよ!
- 委員長その制服よく取っといてたな!
- 手から消えるってエディマーフィーかよ!
- それにしてもオヤジ、こじらせ過ぎだろ!
よかったです
一昨年、2019年に長かったスターウォーズ全9部作が最終回を迎えました。
ラスト三部作は諸事情によりジョージ・ルーカス監督が降板して別の監督達が終わらせましたが、エヴァンゲリオンは最後まで庵野監督が手がけてくれて本当によかったです。
アイキャッチ
冒頭12分の見どころ、整備長の尻。
それではまた・・・さよならいち・∀・)ノ