救命技能認定証の3年有効期限が来たので再講習を受講してきた
普通救命講習を受講してもらえる救命技能認定証は有効期限が3年間なので、救命技能を維持し続けるには3年毎に再講習を受講する必要があります。
再講習は有効期限の六ヶ月前から受講できます。
前回受講で学んだ内容はこちら。
www.secret-base.org
今回は更新の再講習なので、前回からアップデートされた内容を重点的に解説します。
用語解説
傷病者
けが人や急病人のこと
バイスタンダー
その場に居合わせた人のこと
AED
自動体外式除細動器のこと。止まっている心臓を電気ショックで動かす装置ではなく、無秩序に震える心臓に電気ショックで喝を入れて正常な心臓の動きに戻そうとする装置。
心肺蘇生とAEDの使用
- 倒れている人を発見
- 周囲の安全確認
- 反応の確認(傷病者への呼びかけ)
- 大声で助けを求め、119番通報とAEDの搬送依頼
- 呼吸の確認(死戦期呼吸に注意)
- 胸骨圧迫30回、人工呼吸2回
- AEDの使用
- 救急隊が到着するまでAEDの支持に従う
- 救急隊へ引継ぎ
傷病者への呼びかけの際は
バイスタンダーは傷病者の両肩を軽く叩きながら「どうしました」「わかりますか」「大丈夫ですか」などと呼びかけます。
片方の肩だと、事故のショックで半身麻痺が起こっていることがあるから、両肩を叩くことになったそうです。
呼吸の確認時は胸腹部を目視で
顔の動きで判断すると、死戦期呼吸を誤認しやすいので注意。
死戦期呼吸とは
死戦期呼吸(しせんきこきゅう)とは、心停止直後の傷病者に見られる、しゃくりあげるような呼吸。
死戦期呼吸については是非「ASUKAモデル」をWebで参照してくださいとのことでした。
aed-project.jp
2011年9月、さいたま市の小学校で6年生の桐田明日香さんが駅伝の練習中に倒れ、死亡するという事故がありました。明日香さんが倒れた直後の死戦期呼吸で教師らは心停止を見抜けず、校内にあったAEDを使いませんでした。
この事故の反省をふまえ、さいたま市教育委員会はご遺族と共に「体育活動時等における事故対応テキスト:ASUKAモデル」を作成しました。
死戦期呼吸は「しゃくりあげるような呼吸」と言われることが多いですが、指導員の方の実演はこんな風でした。
アゴだけ動かして金魚の様に口をパクパクと空気を飲み込むような動きで、胸郭はほとんど動かないそうです。
心停止しても数分間は脳が生きているので、なんとか呼吸をしようとアゴだけ動かす命令を送るからだとか。
死戦期呼吸を見分けるのはとても難しいので、必ず胸の動きを確かめることと習いました。
※2023.05追記:愛知県津島市消防団に上記イラストの使用を許可しました。
人工呼吸
前回の講習では「胸骨圧迫に注力するため人工呼吸は不要」と習いましたが、今回からまた人工呼吸が復活してました。
傷病者の吐瀉物や血液を口に付けずに済むよう、一方通行で空気を送れるマウスピースが受講者に配布され、マウスツーマウスの訓練を訓練人形で行いました。
このマウスピースは3年以内に実際に使用した場合、無償で交換してくれるそうです。
できるだけ普段から携行するようにしています。
気道異物除去について
気道閉塞で呼吸ができなくなったことを他人に知らせる世界共通のサインがチョークサインです。
食事中に窒息する可能性を考えて、うちの子達にもこのサインはよく教えてあります。
世界共通なので、空港などでふざけてこのポーズで苦しんだフリをすると後述の方法で全力で背中を叩かれることでしょう。
背部叩打法
気道異物除去のためには手と足で傷病者を支え、背中を強く叩き、内圧で気道異物を取り除く「背部叩打法」が推奨されています。
「窒息・誤飲」原因上位10製品
東京消防庁管内の「窒息・誤飲」原因の最上位は餅でしょうか?いえ・・・
包み、袋です。
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/lfe/topics/stop/stop-old03.html
食べ物以外でも、窒息の可能性を考慮すべきです。
ちなみに上位10製品中にこんにゃくゼリーはありませんでした。
それでも1月は突出して救急搬送人員が増えています。
年末にはチョークサインを家族内で共有し、喉を詰まらせたときの対処法をおさらいしておきましょう。
傷病者に出くわした際は
できるだけ救命講習を受けておいて、講習で習った通りに行動してください。
もし何もできないなら、バイスタンダーの支持に従い、救急車を呼んだりAEDを持ってきたり胸部圧迫を支持に従って手伝ったりしてください。
何もすることがなければ身体や上着などで壁を作ってください。
AEDを使用する際は下着を含めて上半身を全て脱がせます。
よくわかんないけどとりあえずバイスタンダーの行動を止める人、というのが実際に存在します。
2018年4月、救命救急を全力で止めようとした人たちがいました。
www.huffingtonpost.jp
たとえ止められても人の命を救う勇気ある行動を取った方々は賞賛に値します。