こんにちは。阿豆らいち(@AzuLitchi)です。
このところ救命救急の措置について話題になってたので、普通救命講習(AED講習)で学んだことと聞いたことを解説します。
普通救命講習(AED講習)で学んだことと聞いたこと
普通救命講習を三年おきに受講
地元自治会と消防団が主催して普通救命講習を開催してくれるので、3年毎に受講しています。 心肺蘇生の手順については下記、消防庁のページをご覧下さい。
東京消防庁<安全・安心情報><救急アドバイス><倒れている人をみたら>
できれば普通救命講習を受講することをお勧めします。
東京消防庁<安全・安心情報><救急アドバイス><救命講習のご案内>
普通救命講習の有効期限は三年です。
直近で受講した際は「AEDは心臓を動かす装置ではなく、むしろ止めるための装置」「胸骨圧迫に注力するため人工呼吸は不要」と習いました。
AEDとは?
AEDとは自動体外式除細動器のことです。
心停止すると「心室細動」といって、心臓がこまかくふるえる痙攣状態になることがあります。
心臓が CALMIN (id:CALMIN) さんのアイコンっぽい感じになっちゃいましたすいません。
このまま胸骨圧迫という心臓マッサージをしても効果がないわけではないのですが、できれば喝を入れて痙攣を止めてやりたい・・・そこでAEDです。
AEDのパッドを右肩と左脇腹に貼ります。これは電極パッドからもう片方の電極パッドに電気ショックを心臓まで貫通させるためです。左肩と右脇腹でも問題ないそうです。子供の場合は胸と背中に貼ることもあります。
どの方法も心臓を電気ショックが貫通しますね。
心室細動していた心臓はAEDによる電気ショックで静止状態になるので
使用後は胸骨圧迫で拍動の回復を促します。
これが「AEDは心臓を動かす装置ではなく、むしろ止めるための装置」という理屈です。AEDで心室細動を止めた心臓の動きが回復するまで、胸骨圧迫で脳に血液を送り続けるのです。
「電気ショックは不要です」=「心臓が動いている!回復した!」ではありません。
心室細動もなく心停止してる場合も電気ショックは不要と判断されますので、倒れている人に反応がなかったら胸骨圧迫を続けます。
人工呼吸は訓練を積んでいないと難しい上、口から血や吐しゃ物が出ている場合もあるため「胸骨圧迫に注力するため人工呼吸は不要」 とのことでした。
胸骨圧迫は体力消耗が激しい
普通救命講習を受講するとAEDの使い方より、メインの訓練は胸骨圧迫という感じになります。それだけ重要なのでしょう。一番最初に受講したときは呼吸音や胸の動きで呼吸の確認をする手順があったのですが、直近の講習では不要とされていました。意識が無かったら胸骨圧迫をとにかくやっちまえって雰囲気でした。
胸骨圧迫はとても体力の要る作業で、受講では30回を二セット程度でしたが、それでも体力削られました。しかし実際は救急隊員が到着するまで続けなければなりません。老若男女関係無く、胸骨圧迫の訓練を受けた人が交替で対応するのが望ましいです。
では訓練を受けてない人は何をすべきなのでしょうか。
救命救急の知識が無いけど倒れている人をみたら
下記サイトで掲載されているように、救命講習を受けている人なら大声で助けを求めてきます。
東京消防庁<安全・安心情報><救急アドバイス><倒れている人をみたら>
- 「あなたは119番通報してください」
- 「あなたはAEDを持って来てください」
と指4本で指して指示するように習いました。これは
- 指を指さないと誰も動いてくれない
- 指一本だと「失礼な!人に指を指すな!」と言い出す人がいる
という理由だからだそうです。2の理由…
指示を出された人は迅速に指示に従って行動してください。
普通救命講習だけでは習わないことを質問してみた
私は過去、交通事故で怪我をした人の応急手当をしたことがあります。その時の経験から、講師の方に質問をしてみました。
救急隊員が来るまで触らない方がいい、と言われた場合は?
実際の事故現場でも声のデカい野次馬が「救急隊員が来るまで下手に触らない方がいい」と本当に言ってました。私は無視して対応しましたが、その場で一番偉い肩書きの人が言い出したらその場全体の空気が「触らない方がイイ」になってしまいます。何かの漫画で得たのでしょうか、「脳梗塞の場合は患者の身体に触ってはいけない」という間違った知識も蔓延しています。先述したように、正しくは意識が無かったら胸骨圧迫をやっちまえなのです。
そのような際は、受講した際に発行される「救命技能認定証」を周囲に見せると効果があるそうです。その場に居る偉い肩書きの人やマイクを持って大きな声を出している人より、救命技能認定証を持っている人の指示に従って行動してください。
私も救命技能認定証は常に携帯するようにしております。
野次馬には何をしてもらえばいい?
ただぼんやり立ち尽くして見てる野次馬状態の人は本当に邪魔なだけです。下手するとAEDの電流がそっちに流れて野次馬の心臓も止まります。
結論から言うと、野次馬として集まった皆さんは外側を向いて輪になって作業の壁を作ってください。そしてできれば興味本位で撮影してる人を制止してください。
AEDを使う際は電極パッドを素肌に直接貼る必要があるため、上半身を脱がせます。
上半身の服の下には、できれば見られたくない様々な秘密があります。
体毛、贅肉、下着や乳首はすぐ思い当たりますが、胃ろうや腸ろう、ストーマなど一般的にはあまり知られていない、知られたくない器具を装着しているケースも考えられます。
体毛が濃い場合は予備のパッドを使ってむしり取ることもあります。
かこさん(id:kozikokozirou)の記事に、腸ろうのチューブを引っ張ったときのヤバみが描写されています。
【ガン患者のエッセイ漫画NO11】普通のありがたみについて 美容師さんのタマゴさんに読んでもらいたいお話 - かあさん ちょいちょい がん患者 闘病と家族のイラスト日記
kozikokozirou.hatenablog.com
想像してみてください。死にかけてやっとのことで生還して、気が付いた時には自分の恥ずかしいところが世界に向かって公開されていた時のことを…。
写真:心肺蘇生の実習人形君
救命知識のある人は体力消耗しながら胸骨圧迫を行っているのでなかなか野次馬対応までできませんが、もし「あなた方は外向きに壁を作ってください」と言われたら迅速に指示に従って行動してください。
指示がなくても、周りの人と協力して壁を作って心肺蘇生作業が周囲から見えないように協力してあげてください。
まとめ
心肺蘇生している人に遭遇したらその人の指示に従って協力してください。なにもできないならせめて外側を向いて壁を作ってください。
心肺蘇生しようとしている人でなく、撮影してる人を制止してください。
参考にしたページ
東京消防庁<安全・安心情報><救急アドバイス><倒れている人をみたら>
こんな記事書いてる私でもできることなら倒れている人には遭遇したくありません・・・。
それではまた…さよならいち!・∀・)ノ