とうじょうじんぶつ
阿豆らいち:
当時フリーランス歴約10年のFlashクリエイター。貧乏暇無しの個人事業主。
j(ジェイ):
らいちの息子。当時4歳。
新幹線より楽しい電車に乗ろう
ジェイが4歳の頃の話。
この頃のジェイは
- ひらがなは数文字しか書かない
- ひらがなとカタカナはほぼ読める
- 数を数えるのは出来る
- パソコンでインターネット閲覧はかなり自由にコントロール出来る
- よくしゃべる
- 車や電車やゴーオンジャーが大好き
といった成長具合。
そして電車好きのこのくらいの年代の幼児にありがちな欲望がある。
・・・そう、ジェイもご多分に漏れず
「新幹線に乗りたい」
と言い出した。
一ヶ月後の予約を往復最前列で取った。
こういうとき、フリーランスは自分の都合で平日休みを取りやすい。
ロマンスカーVSEとは?
小田急線の特急「ロマンスカーVSE(50000形)」は、ジェイが生まれた翌年に運転を開始。
風景を存分に楽しめる展望席が設置されたロマンスカーとしては当時最新鋭の車両だった。
ロマンスカーVSEに乗った日
一ヶ月後─いろいろ子連れ準備して09:50、ジェイと二人で出発。
(ミンスクさんとアイはジブリ美術館に旅立った)
地元スーパーでえびせんとシャカシャカグミと飲み物を入手して新宿へ。
小田急線のロマンスカーホームに行ったら、ほどなくこれから乗るVSEが入線してきた。
カッコいい!
11:18、らいちとジェイを乗せたロマンスカーVSEが出発。ジェイは楽しすぎて無言になってる。
すごい展望だ。
少し曇っているが、雨が降ってなくて良かった。
11:20、らいちだけ食堂車に行って、ロマンスカーキッズサンドとあじ鮨を注文しておく。席まで届けてくれるそうだ。
ほどなく、昼食が届いた。11:30、弁当で昼飯。
美味い。
ジェイとVSEのトイレに行ったり車内をまったり過ごす。
単線になったらもうすぐ到着だ。
12:34、箱根湯本到着。
一旦改札を出て、一日登山鉄道とケーブルカー乗り放題のトコトコきっぷを購入。
あとで知ったが、この切符を持ってると登山鉄道とケーブルカーの乗り換えがとてもスムーズに行くので、買っておいて良かった。
トコトコきっぷ買ってたら一本乗り過ごしてしまった。
12:52箱根湯本発の登山鉄道に搭乗。走り出したらほどなくジェイ抱っこで昼寝突入。
13:00強羅到着。なんとかジェイ再起動。ケーブルカーに乗り換えて早雲山へ。
ジェイは寝起きでまだボンヤリしてた。13:47早雲山到着。
早雲山から大涌谷までの往復券買ってロープウェイ。
ジェイは「赤いロープウェイに乗りたい」と言い出した。
いや、そういうの選べないんだな…運次第だ。
都合良く念願の赤いロープウェイに乗れてジェイご満悦。
が、山頂に行くにつれてガスが濃くなり、雲行きが怪しくなってくる…。
大涌谷に到着したら小雨が降ってる状態。
ちょっと駅を出て谷間を覗き込む。
下は硫化水素ガス地獄。こえええ。
すぐにジェイが言い出した。
「よし帰ろう!」
間違えるな。この旅に目的地なんてない。
目的はロマンスカーVSEに乗ることなのだ。
トイレ休憩してまたロープウェイに乗って帰路へ。大涌谷には20分も居なかったような気がする。
14:35早雲山到着。
14:38発のケーブルカーには乗り損ねたが、それならば、と、一番前の席に座れるようにじっと待つ。待ってる間、一直線だからケーブルカーがずっと見える。待つのもあっという間だ。
20分待って15:00早雲山発のケーブルカーに搭乗。
強羅でササッと乗り換えて、登山鉄道も一番前に座れた。帰りはジェイとスイッチバックを楽しんだ。
16:07、箱根湯本到着。これから乗るVSEは既に向かいのホームに居た。
車内清掃が済んでから搭乗。
16:18、箱根湯本をロマンスカーVSEの最前席で出発。
せっかく2席取っているのに、帰りはジェイを膝の上のずっと抱っこしていた。
途中ジェイが
「おなかすいた」
と言う。
ジェイと二人で食堂車に行ってお土産用のと食べる用の、合計二個購入。さらにオレンジジュースとプレミアムコーヒーも注文。トイレ済ませてから席に戻ると、ほどなく注文品が届けられた。全部で1630円。クッキー食べながらコーヒー。
うーむ、優雅!
持ってきたポータブルカーナビは、車速を知るのに大いに役立った。今時速何キロだか分かるのって楽しいもんだ。
GPS付きのiPhoneはこの年に国内販売が始まったばかり。
だんだん都会の景色になり、代々木の踏切を過ぎて、線路は新宿の駅構内に向かっていく。
まだ到着して欲しくない。
もっといっぱい乗っていたい。
17:45、ロマンスカーVSEは時間通りに新宿に到着した。
楽しかった思い出
あの日以来、ロマンスカーの展望席に乗ったことは無い。
ただひたすら親子で電車に乗っていただけのとても贅沢な時間。
あの楽しかったロマンスカーの思い出は、今も親子で鮮明に残っている。
それではまた…さよならいち・∀・)ノ
はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」