平面の絵画作品を撮影してWEBや印刷物に使う機会が増えてきました。
画集用のものなど高解像度に色の再現性を重視する写真はプロカメラマンに依頼することをオススメしますが、WEBやDMハガキに使う程度の解像度であれば自分のiPhoneでもかなりキレイに撮影できます。
手順は下記となります。
- 作品を明るい日中、太陽光が直接あたらない壁に設置
- グレーチャートを作品のとなりに貼る
- Adobe Lightroomのカメラで撮影する
- RAW画像(DNG形式)を開いて、ホワイトバランスと明るさ補正
- ジオメトリ修正(ガイド付きUp right)
- 切り抜き
- jpgフルサイズで書き出し
詳細を解説します。
作品を明るい日中、太陽光が直接あたらない壁に設置
作品は日中、室内の天井照明を消し、床置きでも壁にかけてもよいので、作品全体が均一に明るくなるような場所に設置します。
作品がイイ感じに明るくならないようなら、手持ちのビデオライトを併用するのも良いです。
私はこちらのビデオライトを使って撮影することもあります。
撮影用の照明を使う場合は、作品の一部だけが明るくならないよう、全体が均一にイイ感じの明るさになるように設置位置を調節します。
グレーチャートを作品のとなりに貼る
グレーチャートは銀一のシルクグレーカードを名刺サイズに切って使用しています。
A4サイズのシートが二枚入っているので、名刺サイズに切り取って、財布や名刺入れやカメラボックスや自室の引き出しなど、そこかしこに入れておくと忘れずに画格に入れられます。
Adobe Lightroomのカメラで撮影する
Lightroomの購入とインストール
撮影にはAdobe Lightroomを使用します。
Amazonで買うとLightroom単体で12,000円/年くらい。
Adobeの直販で買うと12,936 円/年。
価格差から行ったらAdobeの直販でPhotoshop付けた方がオトクな感じがします。
購入したらPC と iPhone 両方にLightroomをインストールして、同じAdobeIDでログインしておきます。
iPhoneのLightroomで撮影
iPhoneにインストールしたLightroomを開き、下部メニューの「ライブラリ」をタップするとカメラのアイコンがでます。
ここをタップしてLightroomのカメラを起動。
Lightroomのカメラを使うと手軽にDNG形式でのRAWデータ(いわゆる生データ)撮影ができます。
グリッドとレベルはこんな感じに設定しておくと使いやすいです。
グレーチャートが写るよう、なるべく作品の4辺がグリッドと平行になる位置から、狙ってシャッターボタンを押します。
グレーチャートの濃い方を使っていますが、正しくは裏の白っぽいグレーを使うと良いそうです。
念のため3枚程度は撮影しておきましょう。
なるべくグリッドに平行になるように撮影しますが、この程度斜めになっていてもあとで簡単に補正できます。
三脚は無くても概ね大丈夫なのですが、ビデオライトを併用してると両手が塞がるのでシャッターボタンが押せません。
私はこちらのスマホ用簡易三脚を使うこともあります。
縦型に設置できて便利。最近は配信のときもiPhoneをこの三脚に固定して使っています。
RAW画像(DNG形式)を開いて、ホワイトバランスと明るさ補正
PCのLightroomを開くと、iPhoneで撮影した写真がクラウドストレージで共有されています。
一番写りが良い写真を選んで編集開始。
ホワイトバランス
まずはホワイトバランスを調整します。
右側のメニューから「カラー」のタブを開いて、スポイトツールをクリックします。
写真のグレーチャートをあちこちクリックして、イイ感じの色になったらホワイトバランス調整完了です。
明るさ補正
色々やり方はありますが、私はトーンカーブで補正しています。
「ライト」→「ポイントカーブ」の中心あたりをつまんで上下させて、良い明るさになるところで止めます。
ジオメトリ修正(ガイド付きUp right)
「ジオメトリ修正」→「ガイド付きUp right」のアイコンをクリック。
このツールで作品の4辺をポイントすると、斜めに写っていた写真がぴったりグリッドに平行に沿うようになります。
切り抜き
右側の「切り抜きと回転」ツールを選択します。
作品の数ピクセル内側で切るように切り抜きを選択します。
キーボードのEnterキーで確定。
jpgフルサイズで書き出し
共有メニューからjpg(大)で書き出します。
jpg100%画質、フルサイズでの書き出しとなります。
ここで書き出したjpgをWEBやDMハガキ作成担当者に渡すと、良きに計らってくれます。
Photoshopでは同じことできないの?
Photoshopでジオメトリ修正したい場合は「フィルター>Camera raw フィルター」で同様の作業が可能です。
切り抜きだけは通常の切り抜きツールを使います。
まとめ
最近のiPhoneのレンズ性能はとても良いので、高価な一眼カメラを購入せずとも1000円/月程度のソフトで美しい撮影と編集が可能です。
自分の平面作品をキレイにデータ化したい時はこの方法を使ってみてはいかがでしょうか。
撮影に使用した平面作品
銀座のヒミツ基地・阿豆らいちイラスト原画展の際に展示したF20号の水彩イラストです。
また原画個展できればなあ…と思います。
スキャナーに入るサイズのアナログイラストをスキャンする方法はこちらの記事にまとめてあります。
それではまた…さよならいち・∀・)ノ