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【レビュー】意外にかんたん! ホームページデビュー 2001

平成も今年で終わる今こそ、平成のネット史を検証したいものですね。

インプレスブックス発刊のムック「意外にかんたん! ホームページデビュー 2001」を掘り起こしたのでレビューします。

book.impress.co.jp

意外にかんたん! ホームページデビュー 2001

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友人から献本をもらってそのまま取っといたやつー。

書籍紹介文の解説

意外にかんたん! ホームページデビュー 2001 - インプレスブックス

本誌一冊で必ずデビューできます。付属CDROMには人気ホームページ作成ソフト、素材500点、テンプレートを収録。ていねいな解説記事に加えて、掲示板運営のコツ、100人のホームページ制作者が語る「感動の体験談」など、楽しくタメになる記事が満載。

デビューとか、ちょっと何言ってるかよくわかんないと思いますが「ホームページ」を「ブログ」に置き換えるとなんとなく理解できるかと思います。

2001年では個人が情報を発信するために、ブログではなくホームページを立ち上げる必要がありました。

ホームページを立ち上げるにはhtmlを書いてftpでサーバにアップロードする必要があり、そこそこ難易度が高かったので「デビュー」というワードが使われているようです。

目次

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  • 100人のホームページ制作者が語る感動の体験談
  • 付属CD-ROMで必ずできる 意外にかんたん!初めてのホームページづくり
  • デジカメユーザー必見!フォトアルバム簡単作成術
  • デビュー前に覚えておきたい ホームページ作成3つのポイント
  • Macintoshでつくる かんたんホームページ
  • 先輩100人に聞いた 人気ホームページ作成ソフトランキング
  • 友達が増える7つのツール徹底活用 掲示板運営のコツ、教えます
  • アクセスアップ大作戦 Yahoo!JAPANに聞いた 登録される秘訣とは?
  • ホームページを動かそう!アニメーションGIF&Flash
  • 定番無料サイト完全ガイド
  • 新米ホームページ制作者必見!誰にも聞けないお悩み相談
  • ホームページ制作者のための著作権基礎講座
  • 付属CD-ROM

目次だけ見るとホームページがブログに置き換わっただけで、今と言ってる内容は大して変わらないことも多いですね。

書籍の内容

もう手に入らない本だし歴史的価値があると思うのでいつもより多めに引用します。

100人のホームページ制作者が語る感動の体験談

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なんと100人全員、顔出し写真付きで自分のホームページを解説してます。一応、写真ボカしとくか…。今だとこの企画自体通るとは思えませんね。

 

100人アンケートでプロフィールの公開。

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男女比は約7:3で男性多め。これは大手プロバイダの男女比とほぼ同じだったそうです。当時ホームページ制作は圧倒的に男性の方が好む趣味だったようですね。

年齢層は半分以上が30代。

OSはMacユーザーが24%であとはWindowsですが、当時のパソコンのシェアを考慮するとMacユーザーが多めな印象です。

デビュー前に覚えておきたい ホームページ作成3つのポイント

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ホームページは「コンテンツ」が命

大事なのは「中身」です

「テーマ」を見つけよう

 言ってることはブログと同じですね。コンテンツってあんまり言わなくなりましたけど、私は未だに自分がコンテンツ制作者であると思うとしっくりくるのです。

先輩100人に聞いた 人気ホームページ作成ソフトランキング

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  1. ホームページビルダー
  2. Macromedia Dreamweaver
  3. Microsoft FrontPage
  4. Adobe GoLive
  5. ホタル2001改訂版

当時からDreamweaver派でした。他のはソースに余計なmetaタグ入れまくるソフトが多かった印象です。generatorとかソースで主張せんでええわ。

 

画像加工ソフトランキングはこちら

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  1. Adobe Photoshop
  2. Adobe Illustrator
  3. Paint Shop Pro
  4. Macromedia Flash
  5. Macromedia Fireworks

画像加工ソフト?と首をかしげる内容ですねこれは…。私も当時はFireworks使ってた気がします。

アクセスアップ大作戦 Yahoo!JAPANに聞いた 登録される秘訣とは?

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Yahoo!の登録を目指せとか現代では何言ってるかわかんないと思いますが、当時の検索はYahoo!のようなディレクトリ型…すなわちコンテンツ制作者が掲載を申しこんで人的に検索エンジンに登録してもらうシステムが主流でした。

現代ではGoogleのようなロボット検索型が主流ですね。2001年当時もgooやExciteなどのロボット型がありましたが、主流になるには検索が貧弱でした。

Yahoo!には土日を除いて毎日300前後のサイトが登録されています。これはかなりの数です。

毎日300サイト・・・少ねえ!!

 

こんだけ苦労して登録してもらっても得られるものは検索エンジンに載って閲覧数が増えるってだけで、広告収入が入るとか無かったわけですからね。原動力は承認欲求。

ホームページを動かそう!アニメーションGIF&Flash

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2001年時点ではFlash5。ActionScriptが実装されて複雑なコンテンツが制作できるようになり、Macromedia Directorでの制作者がどっとFlashに流れてきました。

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ユーザーの行動に対応してコンテンツが変化することを「インタラクティブ」と呼んでいました。

Flashはインタラクティブ制を重視したためにユーザーの行動に関わらずタイムラインでのURLリンクも可能だったため、セキュリティ的に問題あったことは否定できません。今で言うと、ページ見てる間にフィッシングサイトに飛ばされる広告みたいなやつが誰でも簡単に作れました。

あと、ものすごく電力消費が激しくて…Flashのゲームサイト行くとPower MacG5のファンが全開回転の爆音を奏でたことはよく覚えています。あの電力消費じゃスマホには載せられなかっただろうなと思います。

 

Webの画像を動かしまくっていたFlashの季節が過ぎた今では、あれほど簡単にインタラクティブなアニメーションをWebで作れる環境が不在です。コンテンツ制作者としてはちょっと寂しい気もします。

広告

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Adobe WEB SPECIAL PACK。内容が、GoLive5、LiveMotion、Photoshop Elementsの三本で24800円。

MacromediaのDreamweaver&Flashセットに対抗してAdobeが出したやつ。

 

いやー、LiveMotionも仕事で使ったけど、FlashともAfter Effectsとも違う感じで使いづらかったなー。

付属CD-ROMの内容

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  • ホームページビルダー6体験版
  • デジタメの達人3体験版
  • インターネット翻訳の王様バイリンガル4体験版
  • Macromedia Dreamweaver4Jトライアル版
  • Macromedia Fireworks4Jトライアル版
  • プロ製作の高品質デザイン素材 全500点(BMP/PICTも同時収録)

懐かしワードがもりもり入ってて胸がIntelプロッセッサです(PowerPC使用者談)。

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Macの説明がMac OS 9のウインドウ。Mac OS Xが一般的に普及する10.2Jaguarの登場は2002年の話です。

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カット集のサムネイル。どうやら今のデフォルメやデザイン化の主流よりリアルっぽいのが流行ってたのかな。

まとめ

こんな時代を我々は生きた…。

 

今はブログ全盛ですが、20年後に今のブログ教科書的な本を読んで「こんな時代を我々は生きた」と懐かしむ日が来るのだろうなあと思います。

ブログが20年後も今の形のまま残るとはとても思えません。cssで画面をデザインするという行為そのものも廃れそうな気がしてます。

「じゃあ20年後の未来、個人の発信はどうなるのよ?」というところを夢想するのもまた楽しいですね。

 

それはそうと、この本に顔写真載ってる人は大人しく名乗り出てください。

 

 

それではまた・・・さよならいち!・∀・)ノ